涙はなぜ出るの?

まばたきは涙のポンプになっています。

涙というと、悲しいときや嬉しいときなど、感情の変化に伴って流す涙を思い浮かべますが、じつは常時、涙腺から微量の涙が分泌されているんです。分泌された涙は目の表面を一様に潤したあと、約10%は蒸発し、残って古くなった涙は「涙点」という部分から再吸収されます。涙の分泌で大切な役割を果たしているのが、まばたきです。パチパチする度に、目の表面に一定量の涙が送り込まれます。まばたきは、涙のポンプのようなもの。私たちは、1分間に約20〜30回程まばたきを繰り返して、目の表面をリフレッシュさせています。

涙はどんな働きがあるの?

目に栄養を補給したり、細菌から守ったりしています。

涙はわずか1000分の7mmという薄い膜ですが、「油層」「涙液層」「ムチン層」による3層構造になっていて、キズつきやすい目を外界のバイ菌や異物から守ったり、角膜へ酸素や栄養分を届けたりと、さまざまな役目を担っています。また、涙の持っている抗菌成分リゾチームは、細菌の細胞壁を分解する作用があります。

涙の主要な役割

涙の三層構造

涙が足りないと、どうなるの?

ドライアイに要注意です。

涙が足りないと、役割や機能も低下するので、目は乾いて傷つきやすいドライアイという状態に陥りやすくなります。ドライアイとは、涙液の減少や質的な変化によって、角膜や結膜に障害がおこる疾患です。原因としては、部屋の乾燥、加齢、過度のパソコン作業などが挙げられます。ドライアイに悩む人は増える一方で、患者数は1,000万人とも2,000万人とも。パソコンやエアコンの普及による目の乾燥などが、ドライアイを増やす原因のひとつと考えられています。

ドライアイの主な症状

ドライアイを放おっておくと、どうなるの?

視力が低下することもあります。

軽い症状であれば、やがておさまることもあります。しかし症状が長引くと、敏感でキズつきやすい角膜が露出し、乾燥することで剥がれ落ちて角膜上皮の障害が発生します。また、傷から細菌が入り込んで眼全体が感染したり、傷が深くなって視力が低下することもあります。また、目の奥の視神経を刺激し、頭痛、肩こり、イライラといった二次症状につながることもあるので、目の異物感や疲れを感じたら、早めに眼科を受診することをお勧めします。

ドライアイ→角膜や結膜に障害→感染・視力低下→(二次症状として)頭痛・肩こり・イライラ

どうすればドライアイは治るの?

点眼薬やプラグという方法があります。

眼科では、涙に潤いを与える点眼薬や、涙の成分である水分やムチンを出す点眼薬、そして眼の障害を治す点眼薬を処方します。ほとんどの患者さまは、これらによって症状が改善します。このほか、涙の排出路をふさぐ液体コラーゲンやシリコンのプラグ、手術で涙の流出を防ぐという方法もあります。症状によっては、目のまわりの湿度を高く保つメガネをお勧めする場合もあります。

目について気になることがあれば、気軽にご相談くださいね。

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